『宮に初めて参りたるころ』女官が笑った理由を解説!

『宮に初めて参りたるころ』女官はなぜ笑いながら帰ったの?笑った理由は?

『宮に初めて参りたるころ』で女官が笑って帰った理由が分からない

女官が笑って帰った理由は、

  • 中宮定子に状況を理解したと示すために笑った

のだと考えられます。

状況は?

格子を上げてしまうと外の光が入り、明るくなって顔が見えてしまうのを清少納言が恥ずかしがっていたので、中宮定子が「まな。(だめ・いけない)」と言って格子を上げさせなかったという状況です。

女房たちが「わかりました。」や「なぜですか。」などと言わずに笑って退出したことで、全てを言葉にせずに察し合うコミュニケーションが生まれています。

こうしたところに『枕草子』の日本らしい情緒ある面白さが含まれています。

本当の理由は分からない!

他にも女房が笑った理由は、

  • 中宮定子のいたずら心だと思って笑った
  • 中宮定子が清少納言を手懐けさせている様子を笑った

などが考えられます。

しかし本当の理由は、笑った女房にしか分かりません

ここで大事なのは、

なぜ女房が笑ったのかということではなく、

なぜ作者の清少納言が女房たちを作中で笑わせたのか

ということです。

この女房たちが退出する際にとる行動は色々なことが考えられます。

例えば、

  1. 「分かりました」と言って出ていく
  2. 黙って出ていく
  3. 笑って出ていく

などです。

この中でも笑って出ていく女房たちを書き留めることで、

宮中の和やかな様子を読み手に伝えることができます。

なので、中宮定子のいたずら心などは考えにくいかもしれません。

ここは単に、中宮定子に状況を理解したと示すために笑ったと読むのが自然ではないでしょうか。

以上、中宮定子が笑った理由の解説でした!

ちなみに『宮に初めて参りたるころ』の全文現代語訳&品詞分解はこちらのページから見れます。

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