『二月つごもころりに』「「たれたれか。」と問へば、「それそれ。」と言ふ。」の意味!
「「たれたれか。」と問へば、「それそれ。」と言ふ。」とは、
「「(宰相殿と一緒におられるのは)誰と誰かと」尋ねると、「誰々です」とと言う。」
という意味です。
次にどうしてこういう意味になるか詳しく見ていきましょう。
「「たれたれか。」と問へば、「それそれ。」と言ふ。」の品詞分解!
文章を品詞ごとに分けると、次のようになります。
たれ/たれ/か/と/問へ/ば/それ/それ/と/言ふ
それぞれの言葉の意味は以下の通りです。
用語 | 品詞と活用形 |
たれ | 代名詞 |
たれ | 代名詞 |
か | 係助詞 |
と | 格助詞 |
問へ | ハ行四段活用・動詞「問ふ」已然形 |
ば | 接続助詞 |
それ | 代名詞 |
それ | 代名詞 |
と | 格助詞 |
言ふ | ハ行四段活用・動詞「言ふ」終止形 |
たれ/たれ/か/と/問へ/ば/それ/それ/と/言ふ
(たれたれ(誰と誰)/か/と/問う/と/それそれ(複数の人の名前)/と/言う)
となり、
「「(公任の宰相殿と一緒におられるのは)誰と誰かと」尋ねると、「誰々です」と言う。」という意味になります。
「「たれたれか。」と問へば、「それそれ。」と言ふ。」の疑問点!
話の内容
公任が「少し春ある心地こそすれ」(白居易『南秦雪』の一説)という手紙を清少納言に送りました。
その理由は清少納言の詩の力試しです。
返事に時間がかかる&内容が面白くなくても、公任に清少納言はダメだなと思われてしまいます。
そのような状況のの清少納言と、手紙を届けた主殿司との会話です。
- 「たれたれか」(誰と誰か)とは何を聞いているの?
- 「たれたれか」(誰と誰か)と言ったのは誰?
- 「それそれ」(誰々です)と答えたのは誰?
この3点を詳しくみていきましょう。
「たれたれか」(誰と誰か)とは何を聞いているの?
「たれたれか」(誰と誰か)とは、公任(きんとう)と同席している人は誰がいるのかを聞いています。
公任の宰相殿(きんとうのさいしょうどの)とは、藤原公任(ふじわらのきんとう)のことです。
藤原公任は当時の歌壇の第一人者。今でいうと第一級の芸能者という立場です。
「たれかたれか」(誰と誰か)と言ったのは誰?
「たれたれか」(誰と誰か)と言ったのは清少納言です。
公任は自分だけでなく、他の偉い人たちと詩を詠んで清少納言の詩の力を試していました。
それを知っていた清少納言は「他には誰が私の歌を聞くのだろう」と、
「たれたれか」(誰と誰か)と聞いたということです。
「それそれ」(誰々です)と答えたのは誰?
「それそれ」(誰々です)と答えたのは手紙を持ってきた主殿司です。
これで話がつながったと思います。
以上、『二月つごもころりに』「「たれたれか。」と問へば、「それそれ。」と言ふ。」の現代語訳と品詞分解でした!
ちなみに『二月つごもころりに』の全文現代語訳&品詞分解はこちらのページから見れます。
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