「我に衣得させむとて出でたる人なめり」の現代語訳!
「我に衣得させむとて出でたる人なめり」の意味が分からない
『袴垂、保昌に会ふこと』にある、「我に衣得させむとて出でたる人なめり」とは、
「自分に着物を得させようと現れた人のようだ」
という意味です。
次に、どうしてこういう現代語訳になるのか、単語ごとに詳しく見ていきましょう。
「我に衣得させむとて出でたる人なめり」の品詞!
「我に衣得させむとて出でたる人なめり」の文章を品詞ごとに分けると、次のようになります。
我/に/衣/得/させ/む/とて/出で/たる/人/な/めり
それぞれの言葉の意味は以下の通りです。
用語 | 品詞と活用形 |
我 | 代名詞 |
に | 格助詞 |
衣 | 名詞 |
得 | ア行下二段活用・動詞「得(う)」未然形 |
させ | 使役・助動詞「さす」未然形 |
む | 意志・助動詞「む」終止形 |
とて | 格助詞 |
出で | ダ行下二段活用・動詞「出づ(いづ)」連用形 |
たる | 完了・助動詞「たり」連体形 |
人 | 名詞 |
な | 断定・助動詞「なり」連体形 撥音便の無表記 |
めり | 推定・助動詞「めり」終止形 |
撥音便の無表記とは?
撥音便の無表記とは、撥音便の「ん」が無表記になることをいいます。
本来「な/めり」は「なる/めり」ですが、撥音便のため「なん/めり」になります。
さらに「めり」がついていることによって、「ん」が無表記になり「な/めり」(撥音便の無表記)という形になります。
しかし、読むときは「なんめり」と「ん」を入れて発音します。
なので、
我/に/衣/得/させ/む/とて/出で/たる/人/な/めり
(自分/に/着物を/得/させ/よう/と/現れ/た/人/の/ようだ)
となり、「自分に着物を得させようとして出てきた人であるようだ」という意味になります。
以上、「我に衣得させむとて出でたる人なめり」の意味と品詞分解でした!