『枕草子』「雪のいと高う降りたるを」の品詞分解と現代語訳を知りたい!
ここでは、そんな人の悩みを解決します!
『枕草子』「雪のいと高う降りたるを」の用言と助動詞の品詞と活用形!
「雪のいと高う降りたるを」の用言と助動詞は、以下の赤字部分です。
【本文】
雪のいと高う1/降り2/たる3を、例なら4/ず5御格子まゐり6て、炭櫃に火おこし7て、物語などし8て集まり9/さぶらふ10に、「少納言よ。香炉峰の雪いかなら11/む12。」と仰せらるれ13ば、御格子上げ14/させ15て、御簾を高く16/上げ17/たれ18ば、笑は19/せ20/たまふ21。人々も「さる22ことは知り23、歌などにさへ歌へ24ど、思ひ25こそよら26/ざり27/つれ28。なほ、この宮の人にはさ29/べき30/な31/めり32。」と言ふ33。
以下の表に、用言と助動詞の品詞と活用形をまとめています。
用言と助動詞 | 品詞と活用形 |
1.高う | ク活用・形容詞「たかし」連用形 ウ音便 |
2.降り | ラ行四段活用・動詞「降る」の連用形 |
3.たる | 存続・助動詞「たり」連用形 |
4.なら | 断定・助動詞「なり」未然形 |
5.ず | 打消・助動詞「ず」連用形 |
6.まゐり | ラ行四段活用・動詞「まゐる」連用形 |
7.おこし | サ行四段活用・動詞「おこす」連用形 |
8.し | サ行変格活用・動詞「す」連用形 |
9.集まり | ラ行四段活用・動詞「集まる」連用形 |
10.さぶらふ | ハ行四段活用・動詞「さぶらふ」連体形 |
11.いかなら | ナリ活用・形容動詞「いかなり」未然形 |
12.む | 推量・助動詞「む」終止形 |
13.仰せらるれ | ラ行下二段活用・動詞「おほせらる」已然形 |
14.上げ | ガ行下二段活用・動詞「あぐ」未然形 |
15.させ | 使役・助動詞「さす」連用形 |
16.高く | ク活用・形容詞「たかし」連用形 |
17.上げ | ガ行下二段活用・動詞「あぐ」連用形 |
18.たれ | 完了・助動詞「たり」已然形 |
19.笑は | ハ行四段活用・動詞「わらふ」未然形 |
20.せ | 尊敬・助動詞「す」連用形 |
21.たまふ | ハ行四段活用・動詞「たまふ」終止形 |
22.さる | ラ行変格活用・動詞「さり」連体形 |
23.知り | ラ行四段活用・動詞「しる」連用形 |
24.歌へ | ハ行四段活用・動詞「うたふ」已然形 |
25.思ひ | ハ行四段活用・動詞「おもふ」連用形 |
26.よら | ラ行四段活用・動詞「よる」未然形 |
27.ざり | 打消・助動詞「ず」連用形 |
28.つれ | 完了・助動詞「つ」已然形 |
29.さ | ラ行変格活用・動詞「さり」連体形「さる」撥音便無表記 |
30.べき | 適当・助動詞「べし」連体形 |
31.な | 断定・助動詞「なり」連体形 「なる」の撥音便無表記 |
32.めり | 推定・助動詞「めり」終止形 |
33.言ふ | ハ行四段活用・動詞「いふ」終止形 |
『枕草子』「雪のいと高う降りたるを」の現代語訳!
雪がとても高く降り積もっているので、いつもとは違って御格子をおろして、
(雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、)
囲炉裏に火をおこして、(女房達が)話などして集まってお仕えしていたところ、
(炭櫃に火おこして、物語などして集まりさぶらふに、)
「少納言よ、香炉峰の雪はどのようだろう。」とおっしゃるので、
(「少納言よ。香炉峰の雪いかならむ。」と仰せらるれば、)
御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ、(中宮定子が)お笑いになる。
(御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせたまふ。)
女房達も「そのようなこと(白居易の詩)は知っていましたし、歌などに詠むこともありますが、(御簾を上げて外の雪景色を見えるようにすることは)思いつきませんでした。やはり、この中宮定子にお仕えするのがふさわしい人であるようだ。」と言った。
(人々も「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。なほ、この宮の人にはさべきなめり。」と言ふ。)
以上、「雪のいと高う降りたるを」の用言と助動詞の品詞・活用形&現代語訳まとめでした!