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『枕草子』「春はあけぼの」用言と助動詞の品詞と活用形&現代語訳まとめ!

『枕草子』「春はあけぼの」の品詞分解と現代語訳を知りたい!

『枕草子』「春はあけぼの」の品詞分解と現代語訳が分からない

ここでは、そんな人の悩みを解決します!

『枕草子』「春はあけぼの」の用言と助動詞の品詞と活用形!

『枕草子』「春はあけぼの」の用言と助動詞は、以下の赤字部分です。

【本文】

春はあけぼの。やうやう白く1/なりゆく2山際、少し明かり3て、紫だち4/たる5雲の細く6/たなびき7/たる8。夏は夜。月のころはさらなり9、闇もなほ、蛍の多く10/飛びちがひ11/たる12。また、ただ一つ二つなど、ほのかに13/うち光14行く15をかし16。雨など降る17をかし18。秋は夕暮れ。夕日の差し19て山の端いと近う20/なり21/たる22に、烏の寝所へ行く23とて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐ24さへあはれなり25。まいて雁などの連ね26/たる27が、いと小さく28/見ゆる29は、いとをかし30。日入り果て31て、風の音、虫の音など、はた言ふ32/べき33/34/あら35/36。冬はつとめて。雪の降り37/たる38言ふ39/べき40/41あら42/43、霜のいと白き44も、またさら45でもいと寒き46に、火など急ぎ47/おこし48て、炭49渡る50も、いとつきづきし51。昼になり52て、ぬるく53/ゆるびもていけ54ば、火桶の火も、白き55/灰がちに56/なり57わろし58

以下の表に、用言と助動詞の品詞と活用形をまとめています。

用言と助動詞 品詞と活用形
1.白く ク活用・形容詞「しろし」連用形
2.なりゆく カ行四段活用・動詞「なりゆく」連体形
3.明かり ラ行四段活用・動詞「あかる」連用形
4.紫だち タ行四段活用・動詞「むらさきだつ」連用形
5.たる 完了・助動詞「たり」連体形
6.細く ク活用・形容詞「ほそし」連用形
7.たなびき カ行四段活用・動詞「たなびく」連用形
8.たる 存続・助動詞「たり」連体形
9.さらなり ナリ活用・形容動詞「さらなり」終止形
10.多く ク活用・形容詞「おほし」連用形
11.飛びちがひ ハ行四段活用・動詞「とびちがふ」連用形
12.たる 存続・助動詞「たり」連体形
13.ほのかに ナリ活用・形容動詞「ほのかなり」連用形
14.うち光 ラ行四段活用・動詞「うちひかる」連用形
15.行く カ行四段活用・動詞「ゆく」連体形
16.をかし シク活用・形容詞「をかし」終止形
17.降る ラ行四段活用・動詞「ふる」連体形
18.をかし シク活用・形容詞「をかし」終止形
19.差し サ行四段活用・動詞「さす」連用形
20.近う ク活用・形容詞「ちかし」連用形「ちかく」のウ音便
21.なり ラ行四段活用・動詞「なり」連用形
22.たる 存続・助動詞「たり」連体形
23.行く カ行四段活用・動詞「ゆく」終止形
24.飛び急ぐ ガ行四段活用・動詞「とびいそぐ」連体形
25.あはれなり ナリ活用・形容動詞「あはれなり」終止形
26.連ね ナ行下二段活用・動詞「つらぬ」連用形
27.たる 存続・助動詞「たり」連体形
28.小さく ク活用・形容詞「ちひさし」連用形
29.見ゆる ヤ行下二段活用・動詞「みゆ」連体形
30.をかし シク活用・形容詞「をかし」終止形
31.入り果て タ行下二段活用・動詞「いりはつ」連用形
32.言ふ ハ行四段活用・動詞「いふ」終止形
33.べき 当然・助動詞「べし」連体形
34.に 断定・助動詞「なり」連用形
35.あら ラ行変格活用・動詞「あり」未然形
36.ず 打消・助動詞「ず」終止形
37.降り ラ行四段活用・動詞「ふる」連用形
38.たる 存続・助動詞「たり」連体形
39.言ふ ハ行四段活用・動詞「いふ」終止形
40.べき 当然・助動詞「べし」連体形
41.に 断定・助動詞「なり」連用形
42.あら ラ行変格活用・動詞「あり」未然形
43.ず 打消・助動詞「ず」終止形
44.白き ク活用・形容詞「しろし」連体形
45.さら ラ行変格活用・動詞「さり」未然形
46.寒き ク活用・形容詞「さむし」連用形
47.急ぎ ガ行四段活用・動詞「いそぐ」連用形
48.おこし サ行四段活用・動詞「おこす」連用形
49.持 タ行四段活用・動詞「もつ」連用形「もち」の促音便
50.渡る ラ行四段活用・動詞「わたる」連体形
51.つきづきし シク活用・形容詞「つきづきし」終止形
52.なり ラ行四段活用・動詞「なる」連用形
53.ぬるく ク活用・形容詞「ぬるし」連用形
54.ゆるびもていけ カ行四段活用・動詞「ゆるびもていく」已然形
55.白き ク活用の形容詞「しろし」の連体形
56.灰がちに ナリ活用・形容動詞「はひがちなり」連用形
57.なり ラ行四段活用・動詞「なる」連用形
58.わろし ク活用・形容詞「わろし」終止形

意味

・あけぼの:夜明けごろ
・やうやう:だんだんと
・をかし:趣深い
・雁(かり):カモ科の大きい水鳥
・ゆるびもていく:しだいにゆるんでいく

『枕草子』「春はあけぼの」の現代語訳(口語訳)!

春は明け方。だんだんと白くなってゆく山際が、少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいているのがいい。
(春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。)

夏は夜。月が見える時節は言うまでもなく、闇のときでも、蛍が多く飛んでいるのがいい。
(夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。)

また、ただ一匹二匹と、ほのかに光って飛んでいるのも趣がある。雨が降っているときも趣がある。
(また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。)

秋は夕暮れ。夕日が落ちて山の端が近く感じるようになってきたころに、烏が巣に帰ろうと、三羽四羽、二羽三羽と飛び急いでいる様子にもしみじみとした趣がある。
(秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。)

まして雁などが列をつくって飛んでいる様子が、とても小さく見えるのは、たいへん趣がある。日が沈んだ後に聞こえる、風の音や虫の音なども、言うまでもなくよい。
(まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。)

冬は早朝。雪が降っているときは言うまでもない。霜がおりて白くなっているのも、またとても寒い時に、火を急いで起こそうと、炭をもってくるのなども、冬の朝らしくてよい。
(冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。)

昼になって、次第に暖かくなってくると、火桶の炭火も、白い灰になってしまうのはよくない。
(昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。)

以上、『枕草子』「春はあけぼの」用言と助動詞の品詞と活用形&現代語訳まとめでした!

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