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『徒然草』「家居のつきづきしく」助動詞まとめ&現代語訳!

「家居のつきづきしく」助動詞と活用形は何?

兼好法師『徒然草』「家居のつきづきしく」の助動詞と活用形が分からない

ここではそんな人の悩みを解決します!

「家居のつきづきしく」の助動詞と助動詞の意味、活用形はこれ!

「家居のつきづきしく」の助動詞は、以下の赤字部分です。

助動詞とは、用言や体言などに付属して意味付け加える語です。(例:れる・られる・らしい)

【原文】「家居のつきづきしく」

居のつきづきしく、あらまほしきこそ、仮の宿りとは思へど、興あるものなれ1。よき人の、のどやかに住みなしたる2所は、さし入りたる3月の色も、ひときはしみじみと見ゆるぞかし。今めかしく、きららかなら4ど、木立もの古りて、わざとなら5庭の草も心あるさまに、簀子・透垣のたよりをかしく、うちある調度も昔おぼえて、やすらかなるこそ、心にくしと見ゆれ。多くの工の心を尽くして磨きたて、唐の、大和の、めづらしく、えなら6調度ども並べおき、前栽の草木まで、心のままなら7/8作りなせ9は、見る目も苦しく、いとわびし。さてもやは永らへ住むべき10。また時の間の煙ともなり11/12とぞ、うち見るより思はるる13。大方は、家居にこそ、ことざまはおしはからるれ14。後徳大寺大臣の、寝殿に鳶ゐさせ15/16とて、縄を張ら17/たり18/ける19を、西行が見て、「鳶のゐたら20/21は、何かは苦しかるべき22。この殿の御心さばかり23こそ」とて、その後は参らざり24/ける25と聞き侍るに、綾小路宮のおはします小坂殿の棟に、いつぞや縄を引か26/たり27/しか28ば、かの例思ひ出でられ29侍り30に、「まことや、烏の群れゐて、池の蛙を取りけれ31ば、御覧じ悲しま32給ひてなん」と、人の語り33こそ、さてはいみじくこそと覚えしか34。徳大寺にも、いかなる故か侍りけん35

これらの助動詞の意味と活用形は、以下の表にまとめています。

助動詞 意味と活用形
1.なれ 断定「なり」已然形
2.たる 完了・存続「たり」連体形
3.たる 完了・存続「たり」連体形
4.ね 打消「ず」已然形
5.ぬ 打消「ず」連体形
6.ぬ 打消「ず」連体形
7.なら 断定「なり」未然形
8.ず 打消「ず」連用形
9.る 完了・存続「り」連体形・準体法※
10.べき 推量〈可能〉「べし」の連体形・係結び※
11.な 完了「ぬ」未然形
12.ん 推量「む」終止形
13.るる 自発「る」連体形・係結び
14.るれ 自発「る」已然形・係結び
15.させ 使役「さす」未然形
16.じ 打消意志「じ」終止形
17.れ 尊敬「る」連用形
18.たり 完了・存続「たり」連用形
19.ける 過去「けり」連体形
20.たら 完了・存続「たり」未然形
21.ん 仮定・婉曲「む」連体形
22.べき 推量「べし」連体形・係結び
23.に 断定「なり」連用形
24.ざり 打消「ず」連用形
25.ける 過去「けり」連体形
26.れ 尊敬「る」連用形
27.たり 完了・存続「たり」連用形
28.しか 過去「き」已然形
29.られ 自発「らる」連用形
30.し 過去「き」連体形
31.けれ 過去「けり」已然形
32.せ 尊敬「す」連用形
33.し 過去「き」連体形
34.しか 過去「き」已然形・係結び
35.けん 過去推量「けむ」連体形・係結び

係り結びとは?

「係り結び」とは、文の内容を強調したり、疑問を表したりするために使われる文法規則です。文中に「ぞ・なむ・や・か・こそ(係助詞)」が出てきたら、係り結びだと覚えましょう。文末が連体形に変わりますが、「こそ」だけは已然形になります。

準体法とは

「準体法」とは、そこにあるはずの体言が省略される古文特有の文法のことです。省略されるのは連体形の直後にある体言で、文中ですでに出てきた名詞か、「こと・もの・ひと・とき」などが省略されます。

「家居のつきづきしく」の現代語訳!

住まいが住む人にふさわしく、(それが)理想的であることは、(住まいが現世での)一時的なものだとは思うが、趣深いものである。

(家居のつきづきしく、あらまほしきこそ、仮の宿りとは思へど、興あるものなれ。)

身分も高く教養のある人が、うららかに住んでいる所などは、そこへ差し込む月の光も、深く心にしみいるように見えるものだよ。

(よき人の、のどやかに住みなしたる所は、さし入りたる月の色も、ひときはしみじみと見ゆるぞかし。)

今風に華やかでもないが、木々はどことなく古めかしく、特に手をかけたようてない庭の草も趣のある様子で、

(今めかしくきららかならねど、木立ちものふりて、わざとならぬ庭の草も心あるさまに、)

縁側と垣根のぐあいも風情があり、

(簀子・透垣のたよりをかしく、)

それとなく置いてある家具なども古風に感じられて落ち着いているのは、奥ゆかしく見える。

(うちある調度も昔覚えてやすらかなるこそ、心にくしと見ゆれ。)

多くの職人が心をつくして造り上げ、唐製の、日本製のと、見慣れず、なんとも言えないほど素晴らしい調度類を並べ置き、

(多くの工の心をつくしてみがきたて、唐の、大和の、めづらしく、えならぬ調度ども並べ置き、)

庭に植えてある草木まで自然のままでなく(人工的に)ととのえているのは、見た目にも不快で、本当に興ざめだ。

(前栽の草木まで心のままならず作りなせるは、見る目も苦しく、いとわびし。)

そのような状態で、長く続けて住むことができるだろうか。いや、できないだろう。

(さてもやは、長らへ住むべき。)

また、あっという間に焼けて煙になってしまうだろうと、少し見るだけで想像できる。

(また、時の間の煙ともなりなむとぞ、うち見るより思はるる)

多くの場合、住まいによって、住む人の人柄は自然と見当が付く。

(大方は、家居にこそ、ことざまはおしはからるれ。)

後徳大寺大臣が、寝殿に鳶をと止まらせまいとして縄をお張りになったのを、西行が見て、

(後徳大寺大臣の、寝殿に鳶ゐさせじとて縄を張られたりけるを、西行が見て、)

「鳶の止まっているのが、何の差し障りがあろうか。いや、ないだろう。

(「鳶のゐたらむは、何かは苦しかるべき。)

この殿のお心は、その程度であったのだ。」と言って、

(この殿の御心、さばかりにこそ。」とて、)

その後は参上しなかったと聞きましたが、

(その後は参らざりけると聞き侍るに、)

綾小路宮の済んでいらっしゃる小坂殿の棟に、いつだったか縄をお引きになったので、

(綾小路宮のおはします小坂殿の棟に、いつぞや縄を引かれたりしかば、)

あの(後徳大寺大臣の)例が思い出されました時に、ああそう言えば確か、

(かの例思ひ出でられ侍りしに、まことや、)

「カラスが群がり止まっていて、池の蛙をとったので、(宮様がそれを)ご覧になり悲しくお思いになって(カラスを防ごうと縄を引かせなさったのだ)。」

(「烏の群れゐて池の蛙をとりければ、御覧じて悲しませ給ひてなむ。」)

と、ある人が語ったのは、そうであれば素晴らしいことだと思われた。

(と人の語りしこそ、さてはいみじくこそと覚えしか。)

後徳大寺大臣の場合にも、何か理由があったのでしょうか。

(徳大寺にもいかなる故か侍りけむ。)

以上、兼好法師『徒然草』「家居のつきづきしく」の現代語訳&助動詞のまとめでした!

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