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『枕草子』「九月(ながつき)ばかり」用言と助動詞の品詞と活用形&現代語訳まとめ!

『枕草子』「九月(ながつき)ばかり」の品詞分解と現代語訳を知りたい!

『枕草子』「九月(ながつき)ばかり」の品詞分解と現代語訳が分からない

ここでは、そんな人の悩みを解決します!

『枕草子』「九月(ながつき)ばかり」の用言と助動詞の品詞と活用形!

「九月(ながつき)ばかり」の用言と助動詞は、以下の赤字部分です。

【本文】

九月ばかり、夜一夜降り明かし1/つる2雨の、今朝はやみ3て、朝日いとけざやかに4/さし出で5/たる6に、前栽の露はこぼる7ばかり濡れかかり8/たる9も、いとをかし10。透垣の羅文、軒の上などは、かい11/たる12蜘蛛の巣のこぼれ残り13/たる14に、雨のかかり15/たる16が、白き17玉をつらぬき18/たる19/やうなる20こそ、いみじう21/あはれに22/をかしけれ23。少し日たけ24/ぬれ25ば、萩などの、いと重げなる26に、露の落つる27に、枝のうち動き28て、人も手ふれ29/30に、ふと上ざまへあがり31/たる32も、いみじう33/をかし34言ひ35/たる36ことどもの、人の心には、つゆをかしから37/38思ふ39こそ、またをかしけれ40

以下の表に、用言と助動詞の品詞と活用形をまとめています。

用言と助動詞 品詞と活用形
1.降り明かし サ行四段活用・動詞「降り明かす」連用形
2.つる 完了・助動詞「つ」連体形
3.やみ マ行四段活用・動詞「やむ」連用形
4.けざやかに ナリ活用・形容動詞「けざやかなり」連用形
5.さし出で ダ行下二段活用・動詞「さしいづ」連用形
6.たる 完了・助動詞「たり」連体形
7.こぼる ラ行下二段活用・動詞「こぼる」終止形
8.濡れかかり ラ行四段活用・動詞「濡れかかる」連用形
9.たる 存続・助動詞「たり」連体形
10.をかし シク活用・形容詞「をかし」終止形
11.かい カ行四段活用・動詞「かく」の連用形「かき」のイ音便
12.たる 存続・助動詞「たり」連体形
13.こぼれ残り ラ行四段活用・動詞「こぼれ残る」連用形
14.たる 存続・助動詞「たり」連体形
15.かかり ラ行四段活用・動詞「かかる」連用形
16.たる 存続の助動詞「たり」の連体形
17.白き ク活用・形容詞「しろし」連体形
18.つらぬき カ行四段活用・動詞「つらぬく」連用形
19.たる 存続・助動詞「たり」連体形
20.やうなる 比況・助動詞「やうなり」連体形
21.いみじう シク活用・形容詞「いみじ」連用形「いみじく」のウ音便
22.あはれに ナリ活用・形容動詞「あはれなり」連用形
23.をかしけれ シク活用・形容詞「をかし」已然形
24.たけ カ行下二段活用・動詞「たく」連用形
25.ぬれ 完了・助動詞「ぬ」已然形
26.重げなる ク活用・形容詞「おもし」 「おもし+げなり」
27.落つる タ行上二段活用・動詞「おつ」連体形
28.うち動き カ行四段活用・動詞「うちうごく」連用形
29.ふれ ラ行下二段活用・動詞「ふる」未然形
30.ぬ 打消・助動詞「ず」連体形
31.あがり ラ行四段活用・動詞「あがる」連用形
32.たる 完了・助動詞「たり」連体形
33.いみじう シク活用・形容詞「いみじ」連用形「いみじく」のウ音便
34.をかし シク活用・形容詞「をかし」終止形
35.言ひ ハ行四段活用・動詞「いふ」連用形
36.たる 完了・助動詞「たり」連体形
37.をかしから シク活用・形容詞「をかし」未然形
38.じ 打消推量・助動詞「じ」終止形
39.思ふ ハ行四段活用・動詞「おもふ」連体形
40.をかしけれ シク活用・形容詞「をかし」已然形

意味

・前栽(ぜんざい):庭の植え込み
・透垣の羅文(すいがいのらんもん):垣根の上に付けた、竹や木を組んだ飾り

『枕草子』「九月(ながつき)ばかり」の現代語訳(口語訳)!

九月頃、一晩中降り続いた雨が、今朝はやんで、朝日がたいへん鮮やかに差し込んでいるときに、
(九月ばかり、夜一夜降り明かしつる雨の、今朝はやみて、朝日いとけざやかにさし出でたるに、)

庭に植え込んだ草木についた露が零れるほどに濡れかかっている様子も、とても趣深い。
(前栽の露はこぼるばかり濡れかかりたるも、いとをかし。)

透垣の羅文や、軒の上などは、かかっている蜘蛛の巣の破れ残っているところに、雨のかかっているのが、
(透垣の羅文、軒の上などは、懸いたる蜘蛛の巣の毀れ残りたるに、雨のかかりたるが、)

白い玉を突き通しているようなのは、しみじみと感じられて趣深い。
(白き玉を貫きたるやうなるこそ、いみじうあはれにをかしけれ。)

少し日が高くなってしまうと、萩などが、たいそう重たげだったのに、露が落ちると、枝が揺れ動いて、
(少し日たけぬれば、萩などの、いと重げなるに、露の落つるに、枝のうち動きて、)

だれも手を触れていないのに、さっと上の方へ上がったのも、とても趣深い、と言ったことなどが、
(人も手触れぬに、ふと上ざまへ上がりたるも、いみじうをかし、と言ひたることどもの、)

他の人の心にはぜんぜん面白くないだろうと思うのも、また面白い。
(人の心にはつゆをかしからじと思ふこそ、またをかしけれ。)

以上、『枕草子』「九月(ながつき)ばかり」用言と助動詞の品詞と活用形&現代語訳まとめでした!

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